自然農は、草や虫を敵とせず、肥料や農薬を必要としません。
刈った草を畝(うね)に積み重ねていくことによって、その草が朽ち、また虫たちの死骸や排泄物などが土壌微生物や細菌によって分解され、やがてそれらは栄養たっぷりの土となります。
元々自然界の豊かな土壌に農薬や化学肥料を撒くことによって、有益な微生物や細菌が死に絶えてしまうので、化学肥料を施さないと作物が育たない環境になってしまうのです。
土を消耗させるのではなく、土を肥やしていくのが自然農です。
ここで、生態系を壊す一つの例として、ネオニコチノイド系の農薬がもたらしたエピソードをご紹介します。
島根県に松江市と出雲市にまたがる宍道湖(しんじこ)というとても美しい湖があります。以前はそこで、ウナギやワカサギがとてもたくさん捕れていました。
しかし、1993年以降はワカサギがほとんど捕れなくなり、ウナギも数分の一に激減しました。
東京大学大学院教授の山室真澄教授らの調査の結果、動物プランクトンが1993年を境に激減していることがわかったのです。
その原因は、1992年に国内で初めて登録されたネオニコチノイド系農薬が原因と考えられています。
詳しくは Scienceという雑誌の”Neonicotinoids disrupt aquatic food webs and decrease fishery yields“に記載されています。
この農薬はミツバチの大量死を招いたことでも有名になったものです。
現代社会において、農薬や食品添加物といっものを一切排除することは不可能かもしれません。
しかし、気づいた人から少しずつケミカルなものは摂らないようにしていこうという姿勢と行動が、私たち人間の体にも環境にも良い結果へとつながっていきます。
最近のコメント