草マルチとは、刈った草を畝の表面に敷いて覆うことです。
慣行農法でビニールマルチといって、畝全体を黒いビニールで覆っている光景を見たことはありませんか?
わかりやすく言うと、ビニールマルチはビニールで畝を覆いますが、草マルチは畝を草で覆います。

草マルチのやり方は、周囲の草を刈って畝の上や、作物の周りに敷くだけです。
種をまいた直後や苗を定植したばかりの時は、葉が広い草より、葉が細長いイネ科の草を10センチ程度に切って敷くようにします。
葉の広い草だと、芽が出ようとしているときに上に葉が覆い被さる状態になってしまい発芽を妨げてしまうからです。

草マルチの効果

  • 直射日光による土壌の乾燥防止
  • 作物への雨による泥はね防止と表層の肥沃な土の流亡防止
    雨で跳ねた泥が野菜に付着すると、病気の原因となります。
  • 寒い時期の保温効果
  • 生物の住処をつくることによる土壌の豊潤化
    草マルチには、草を餌にしたり、分解したりする虫や微生物が集まります。さらに虫たちの排泄物や虫の亡き骸なども分解され、有益な土壌細菌も増えます。

自然農では、草マルチの上に米糠(場合によっては、米糠と油粕を混ぜたものや、これらを元に作ったボカシ肥)を撒きます。
米糠は、窒素・リン酸・カリという肥料の三大要素を含んでいて、かつ微量要素であるミネラルも含みます。
米糠を草マルチの上から撒くことによって、草の表面や周りにいる乳酸菌、酵母菌や納豆菌などの有用な微生物の餌となって多様な菌の繁殖を助け、草の発酵分解が行われます。
山野で自然に腐葉土ができるように、草マルチをの上から米糠を撒くことによだて、草は自然に腐熟していきます。
つまり、草マルチをした畝の上では、自然に天然の堆肥が出来上がっていくということになります。